MENU

対立か、共存か ― Fab/Sketchfab買収と生成AIが問う3Dアセット市場のゆくえ

本サイトの記事にについて

掲載中の記事は、AIにより作成されました。ファクトチェックは行わせていますが、それでも誤った情報が含まれる可能性があります。自己判断でお読みください。また、元情報を出典として掲載させていますので、気になる方はそちらをご確認ください。

3DCGモデルを作って売る、という仕事の足元が、この1年半でかなり揺れている。舞台はEpic Gamesが運営する統合マーケットプレイス「Fab」と、その傍系にあったSketchfab、ArtStation。ここで起きていることは、単純な「生成AI vs アーティスト」の対立劇では片付かない。規制と共存設計、そして市場そのものの再編が同時に進んでいる。

Contents

事件が示した「対立」の実態

2025年5月、Fabで一人のユーザーが4万1000点を超えるAI生成アセットを短期間にアップロードし、マーケットプレイスの検索結果が埋め尽くされる事態が起きた。当時Epic GamesでCreator & Developer Experienceを担当するシニアディレクターだったSjoerd De Jong氏は、このユーザーのアカウントを削除したことを公式フォーラムで明らかにし、あわせて「Created with AI」の申告を義務化するチェックボックスの追加、自動検出ツールの導入、1日あたりのアップロード数制限、コミュニティによる通報フォームの改善を発表した。

同氏は投稿の中で「Fabを、初めての創作から高度な制作まで受け入れられる場にしたい」という趣旨も述べており、AIコンテンツ自体を排除する方針は取らなかった。この「残すが、表示は選ばせる」という中間的な決着に対し、アーティスト側からは「真面目にやってきた全員への侮辱だ」という反応も出ている。透明性の確保と、コンテンツそのものの是非は、Epicの中でも切り分けられている。

余談だが、このDe Jong氏は2026年6月、Epic Gamesを約12年ぶりに退社したことを明らかにしている。2014年からUnreal Engineの「伝道師」的な立場を担ってきた人物で、退社にあたっては「ゲーム業界は常に変化が絶えない業界だったが、いま我々は複数の要因が重なる転換点に差しかかっているように感じる」と綴った。この発言がAIの影響を名指ししたものかどうかは記事の範囲では確認できないが、Fabの規約整備を主導した当人が1年ほどでEpicを去ったという事実だけは記録しておきたい。

共存のための仕組み

実はSketchfabは、Fabでの騒動より2年以上早い2023年2月の時点で、「NoAI」(AI学習への利用を拒否するメタタグ)と「CreatedWithAI」(AI生成であることの明示タグ)を導入していた。同社は当時のブログで「AIが創作者にもたらす影響について、多くの懸念の声を聞いてきた。Sketchfabのチーム自身にも創作者が多いからこそ、その声に敏感でありたい」と説明し、アップロードされた作品をAIの学習に利用したり、その目的で第三者にライセンスしたりしないことも明言している。

さらに2025年11月には、これまで販売・ダウンロード対象の作品にのみ義務付けていた「CreatedWithAI」表示を、非公開・非販売の作品も含めた全モデルに拡大する方針が伝えられた(12月11日施行)。あわせて新規登録はEpic Gamesアカウント経由に一本化される。検索側でAI生成コンテンツを除外・限定できるフィルタも用意されており、「禁止」ではなく「選べるようにする」という設計思想は一貫している。

買収が浮かび上がらせた市場の再編

そして2026年8月、Epic GamesはSketchfabとArtStationを、KitBash3DやGreyscalegorillaを運営するKitBashに売却した。KitBash共同CEOのBanks Boutté氏は公式発表で「ここはユーザーがポートフォリオやキャリア、コミュニティを築いてきた場所だ。その信頼を守ることが最優先事項」と述べ、EpicのBill Clifford氏(Unreal Ecosystem担当SVP)も「KitBashはアーティストが創作のあらゆる段階で作品をつなぎ、発表する機会を広げる」とコメントしている。

この発表文自体はAIポリシーに直接言及していないが、報道では、ArtStationを離れていたアーティストの間で「所有者の変更がAIコンテンツ対応の見直しにつながるのでは」という期待の声が最も大きいとされる一方、プラットフォームの寡占化・競争減少を懸念する声も併記されている。ArtStation側は「多くのアーティストの声を聞いており、離脱した人々の期待にも耳を傾けている」とコメントするにとどめており、具体的な方針転換はまだ示されていない。

見過ごされがちな、もう一つの競合構造

マーケットプレイス内のAI表示ルール以上に、モデル販売業という仕事の前提を静かに揺らしているのは、Meshy、Tripo、Rodinのようなテキスト/画像から3Dモデルを直接生成するツール群の存在だ。これらは「マーケットプレイスでモデルを探して買う」という行為そのものを、「その場で欲しい形を生成する」という行為に置き換えうる。Fabの表示ルール論争がプラットフォーム内部の秩序の話だとすれば、こちらはプラットフォームの外側から需要そのものを奪い合う、より構造的な競合だ。

対立、共存のための制度設計、そして市場の再編——この3つは別々の出来事ではなく、同じ地殻変動が異なる場所に現れた症状として見るのが実態に近い。

出典

Contents